《AdWords》品質スコアを改善するには3大要素だけでは足りない
AdWordsには《品質スコア》という重要な項目があり、品質スコアは広告の掲載順位を決める《広告ランク》の要素である事は良く知られています。品質スコアと広告ランクに関わる項目には複雑な関連性がありますので、一度初心に戻って整理してみましょう。
品質スコアに関わる6つの要素
AdWordsの管理画面で表記されている品質スコアに関する要素は3つですが、厳密には6つあります。もしかしたらGoogleではもっと多くの指標で見ているのかもしれませんが、現状開示されている項目は6つです。
1.広告の推定クリック率
広告の過去のクリック数とインプレッション数をベースに算出されます。
2.表示 URL の過去のクリック率
表示 URL の過去のクリック数とインプレッション数をベースに算出されます。
3.ランディング ページの品質
管理画面では《利便性》としか表記されていませんが、かなり細かく見られています。
1.関連性が高く有用で独創性のあるコンテンツ
・ランディング ページが広告文とキーワードに直接関連していることを確認します。
・リンク先ページには、宣伝する商品やサービスについての有益な情報を掲載します。
・できるだけ、他のサイトにはない便利な機能やコンテンツを追加します。
2.透明性と正確さ
・ユーザーが広告主様の連絡先情報をすぐに見つけられるようにします。
・ユーザーの個人情報を求める場合は、その理由と目的を明確に伝えます。
・広告などのスポンサーリンクは、サイトの他のコンテンツと区別します。
・ビジネス情報を公開し、業務内容を明確に説明します。
3.操作性
・サイト内をあちこち探さなくても、必要な情報がすぐに見つかるようにします。
・広告で紹介した商品をユーザーがすばやく簡単に注文できるようにします。
・サイト内の移動の邪魔になるポップアップやその他の機能でユーザーを煩わせないようにします。
・広告の対象商品についての詳細情報をユーザーが簡単に参照できるようにします。
上記以外に最近では《モバイルフレンドリー》要素もかなり重要視しています。
4.広告と検索の関連性
広告文とキーワードの関連性が求められます。キーワードが広告文に含まれると関連性が高く評価され、該当部分が太字で表記されるオマケがついて来ます。
5.地域別の掲載結果
ターゲット地域でのアカウントの実績を求められます。
6.ターゲットに設定しているデバイス
デスクトップ PC やノートパソコン、携帯端末、タブレットなど、各種デバイスでの広告の実績を求められます。
品質スコアに影響は与えないが、広告ランクに影響を与える項目
品質スコアには直接影響を与えないが、広告ランクには関連する項目があります。
1.上限クリック単価(上限CPC)
広告ランクの主たる要素は《品質スコア》×《上限CPC》で決められます。インプレッションシェア損失率で広告ランクが原因で損失が発生してる場合は、まずは上限CPCの見直しをする事で、即効性のある改善が見込める事が多いです。
2.広告表示オプション
紛らわしいですが、品質スコアには影響は与えませんが、広告ランクには影響があります。どの程度影響を及ぼすかはGoogleからのアナウンスはありませんが、サイトリンク表示やコールアウト表示等が広告との関連性が高ければ、ユーザーの利便性が増すとの判断がなされ、広告の掲載順位が高くなる可能性があります。
公式に案内されているのは次のとおりです。
入札単価も品質もまったく同じ広告が競合している場合、通常は広告表示オプションの効果が高いと予測される広告の方が上に表示されます。
広告を掲載していなくても品質には影響がない
何らかの理由によって広告掲載を停止している場合、又はインプレッションシェアが低く広告が表示されていない場合でも、品質スコアには影響がありません。インプレッションシェアが高い=品質スコアが上がるという事ではありません。
コンバージョンと広告の品質は無関係
コンバージョン率の高い広告は品質の高い広告です。ここで言う品質とは優秀な広告という意味であり、AdWordsの品質スコアとは無関係です。コンバージョン率の高いキーワードは同様に品質の高い優秀なキーワードですが、AdWordsの品質スコアとは無関係です。
《AdWords》アカウント内で損失を発生させる行為
広告グループを細かく分類し、品質スコアを高くする
仕事がら、毎日数多くのアカウントを拝見しておりますが、広告グループを細かく分け、紐付けするキーワードを少なく(極端な例だとキーワードは1種類)する設定は結構多くのアカウントで見掛けます。
こういう設定は《広告文とキーワードの関連性》の評価を上げるのに有効なので、《品質スコアの改善》に繋がります。
代理店が管理しているアカウントに多い設定かもしれませんね。
しかし、完璧に設定しているアカウントは数少なく、何となく伝聞によりこのような設定を行っているアカウントが多いのが実情です。問題となる点はどこにあるのでしょうか。
同一アカウント内で競合させる行為
AdWordsでは同一アカウント内で複数のキャンペーン、広告グループを設ける事が出来ます。その際の注意点として、同一のキーワードを複数のキャンペーン、又は広告グループで設定してはいけません。
設定自体は可能ですが、お互いに競合してしまい、広告の掲載機会を損失してしまう可能性があります。類似したキーワードを設定する時も同様の損失が発生してしまう可能性があります。
広告の掲載機会の損失は広告主にとってビジネスチャンスを損失してしまうというリアルな損失は勿論、インプレッションシェア損失率という指標で明確な数字で表記されます。
インプレッションシェアの損失自体が品質スコアに影響を及ぼす事はありませんが、仮に上部表示出来る機会に損失が発生した場合、多くの広告は上部掲載時には《クリック率》が非常によい数字を残します。この機会を損失する事は非常に悪影響を及ぼします。
なぜなら現在のクリック率は《推定クリック率》に影響を及ぼし、《推定クリック率》は《品質スコア》に影響を及ぼし、《品質スコア》は《Adランク》に影響を及ぼし、《Adランク》は広告の掲載順位を決める要素になります。
除外キーワードを設定し、損失を免れる
品質スコアの向上を狙った設定が逆効果になっては元も子もないので、やるならキッチリ設定しましょう。
広告グループを細かく分け、紐付けするキーワードを少なくし、広告とキーワードの関連性を高めるという発想は非常に良いのですが、ほかの広告グループと競合し、インプレッションシェアを損失しているところまで頭が回ってないのが問題です。ここを改善するには《除外キーワード》を設定しなければなりません。
1つの広告グループに設定したキーワードを、その他の広告グループに《完全一致》で除外キーワード設定を行います。仮に広告グループを100個作ったとしたら、1つの広告グループに設定したキーワードを他の99個の広告グループにすべて除外キーワード設定をします。これでアカウント内で競合してインプレッションシェアを損失する事が無くなります。
ひじょーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーに手間のかかる設定ではありますが、やるならここまできっちりと設定しなければなりません。
《Twitter》文字数制限の大幅緩和について思うこと。
《AdWords》モバイルフレンドリー
今日は時間が無いので簡単に。
新規でAdWordsを始めたいと検討されている方に。
専用のLP(ランディングページ)を用意しない、出来ないのは、まだいいです。自社サイトで代用出来ることも多いので。
しかし、そのサイトがスマホに最適化されていないのであれば、まずはサイトのスマホ最適化を優先するべきです。
《限りある予算内で、最高の効率で最大の成果を取る》事を目的としていないなら話は別ですが。
SEO関連の話ですが、昨年末にGoogleはこっそりとモバイルフレンドリーによりシフトする評価基準の変更を発表しました。AdWordsでもモバイルフレンドリーは《品質スコア》《Adランク》に直接影響を及ぼします。
Official Google Webmaster Central Blog: Updating Our Search Quality Rating Guidelines
モバイルフレンドリーテストは此方からどうぞ。